群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

本を読む気になれず

 新しい小説を四冊ほど借りてきているのですが、まったく読む気になれなくて困っています。どんな魅力あふれる主人公にも、奇想天外な脇役にも、心躍るストーリーにも入り込むことができません。興味や関心そのものが枯れている感じです。文章を読むことは書くことのためにもなるし、文章を読み進める楽しみは、ほかには得がたいものがあると思うので、なんとかならんかなあと思っています。自分自身の人生においても、よく本を読んだ時期と、まったく読まなかった時期というのは、くっきりと分かれています。小学生のころは、先生に名前を呼ばれても気づかないくらい本を読むのにはいり込んでいましたが、中学に入ってからは、本を読むことそのものを忘れてしまったかのようでした。もっとむらなく本を読んでこれたらなあと思います。とはいえ、何かができないときは、今、自分にできるほかのことをしていれば、そのうちまた、その何かができるようになるかもしれないし、新しい可能性が開けることもある、というのは、僕が二十代の後半で学んだことです。エッセイとかノンフィクションとか、小説以外の本を読んだり、昔読んだ小説を読み返したりして、また新しい小説を読む気になるのを待ちたいと思います。逆に考えると、今、僕が必要としているのは、新しい小説を読むことではなくて、小説以外の本を読んだり、昔読んだ本を読み返したりすることなのかもしれません。