群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

自分の名前を取りかえせ

「漱石の孫」ということにあらがい、受け入れ、たたかっているうちに、意地でも「房之介」でとおしてやろうと思うようになった。だからペンネームは使わなかった。やがて僕は自分に自信を持ち、そのぶんだけ自分の名前が好きになった。父につけられた名前を…

多義的な読みの洗礼

高校のとき、国語で漱石の「こころ」を読んだ。その国語の教師は授業の最後に、クラスの全員に、「こころについて、漱石自身の言おうとしていることが正しいのか、それとも読者の解釈したことが正しいのか、どちらだろうか」という趣旨の質問をした。僕は自…

言葉の可能性

数年前、友だちと本の感想のやりとりをしていたときに“身の毛がよだつ”と言おうしたんですが、ちゃんと言えなかったせいでその友だちに突っ込まれて、「僕は自分が思っている以上に日本語がちゃんと使えていないんだ」と痛感したことがありました。それから…

カフィーソに感じた伸びやかにすぎる不安

僕が普段聴く音楽は、50〜60年代の、いわゆるたけなわのころのジャズが多いんだけど、これは石油をバリバリ食べているようなもので、あまり健康的でないことは自覚している。最近のものもたまには聴かなきゃなと思い、何年か前にはHMVのジャズコーナーを…

Alternative Ourselves

フェイスブックで知人の名前を検索していて気づくのは、この世に同じ名前を持った人間がいかに多く存在しているか、ということである。ためしに自分の名前を検索してみたところ、あまりたくさん見つかるとは思えそうにないその名前も、複数の検索候補があが…