群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

関取花


関取花 もしも僕に

 関取花を聴く。声に確たる力強さと表現力があってよい。最近よく聴いている。関取のことは晶文社の本で知った。「どすこいな日々」という本である。「あなたにとって音楽とは何ですか」。これは答えるに難しい問いだが、それはうんこである、と関取は著書のなかで述べる。

 たくさん食べたらたくさん出るように、たくさんの経験をしてそれらをきちんと吸収したら、いい曲がたくさんできる。そうかと思えば、急にまったく出なくなる時もある。
 それでもなんとかしぼり出すために、あれこれ試して必死であがく。そしていいものを出せた時には、自分に後光が差しているかのような晴れやかな気持ちになる。その瞬間を知っているから、きっと続けていられるのだ。

 ウケ狙いかと思いつつ、ちゃんと答えになっていて面白い。この人、話を想像で作ってしまえるところがあって、そういう意味では小説家になれる素地があるのかもしれない。最近は新しい音楽に食指が動かなくなっていたけれど、またじょじょに発掘したい。空気公団土岐麻子はもちろん好きだけど、知らない間にも新しい才能はどんどん出てる。