女優、菅野美穂さんのファンです。とちゅうで本上まなみさんに浮気したりしましたが、今は菅野さん一筋です。
ところで今日、「定本 菅野美穂」という本を買いました。初版が1998年ですから、もう15年前の本です。
菅野さんはご自分の写真集について書かれています。
“10代の終わりのころ、わたしは自分の中にある諸々をこの目で見て確かめたかった。
自分が今、どんな状態なのかを知りたかった。
微妙で不安定な感じ。
あいまいで強大なものの前に、途方に暮れている感じ。
何か勢いのあるものに、後ろからせっつかれている感じ。
わたしは葛藤と焦燥を抱えていた。
もう自分自身というものがほとんどなくて、
すごく不安定で、どうしたらいいかわからなかった。
何をしたらいいかわからなかったから、いちばん自分がやりたくないことをやってみようとした。今までの自分にはとても考えられない、とても出来ないようなことをやってみたら世界が変わるかもしれない。”
“それはもう精神的な苦痛というか、つらい気持ちだけ。でもこれだけやって、つらいと感じる気持ちを乗り越えてがんばったら、また何か違うものになれるんじゃないかって思った。
ちょうど持久走みたいな感じで、苦しいけど、がんばって走ればタイムが伸びるんじゃないっかなって。なにか世界が違った風に見えてきたりするのかなって。”
今、菅野さんは、あくまでもテレビの上での話ですが、おおらかで、自由で、少々の困難などものともしないしなやかで強靭な心を持っておられるように見えます。でも、あの当時、菅野さんがこれほどまでに不安定な場所にいたとは、僕には思いもよりませんでした。
昆虫は、幼虫から成虫になるまでに蛹という準備期間を経るわけですが、それは人も同じで、個人差もあるから一概には言えないでしょうけれど、大人として一回り大きく脱皮する前に、精神的に不安定になったり、欺瞞を感じたり、世をすねたりするように思うのです。そして、蛹に何かしら予想外の圧力がかかると、脱皮するときに傷みや葛藤を抱えてしまいます。秘めている可能性が大きすぎると、下手をすると命を落としてしまうくらい危険な状態になるかもしれません。でも脱皮できたときには、その蛹からは、多くの人の目を深く魅了し、まばゆい光を放つ、きれいなきれいな蝶が生まれる気がするのです。
自分は不安定で危うい場所にいるんだと感じ、認識し、実際に行動されたからこそ、今、菅野さんはあれほど魅力的に見えるのだと思いますし、だからこそ僕は菅野さんの大ファンです。
- 作者: 菅野美穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/12
- メディア: 単行本
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