群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

キャッチボールと野茂英雄

 "野球・ソフトボール東京オリンピック正式種目に!"のCMがいい。ボールを捕って投げてという、この上なくシンプルな行為に潜んだ快楽が余すところなく伝わってくる。僕は自分でキャッチボールをするのももちろん好きなんだけれど、球場に行って選手がボール回しをしているのを見ているだけでも飽きない。人がボールを投げるのを見ているだけなんて、単調といえば単調極まりないと思うんだけれど、それでも球場に足を運んだらキャッチボールを見るのを楽しみにしてしまう。
 このCMいろいろ見どころはあると思うんだけれど、やっぱり野茂が投げるシーンがいい。野茂が初めてメジャーで投げた試合を、僕はテレビで観ていた。本当にメジャー・リーグで投げているんだと思った。自分とはどこか違う世界のように思っていたテレビの中継を、あれほど肌身で感じられたことはない。きれいな芝生とか陽光とか、あのときの光景は今でも鮮明に憶えている。今はもうプロ野球の選手の顔ぶれもすっかり変わってしまって、それはそれで面白いんだけど、それでも野茂が、今、マウンドで投げているところを見ると、「野球、いいなあ」とため息がもれる。


2020もう一度野球、ソフトボールを!