群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「ニートの歩き方」

ニートの歩き方」を読んだ。忘れたころにたまに読み返したくなる本である。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

 

 僕はこの本が面白いので、人に紹介してみることがあるんだけれど、眉をひそめられたり、あまりいい反応が返ってきた記憶がない。楽をして生きたいのかなどと聞かれることもあって、そういうことじゃないのになと思う。作者のやっていることは、明らかにおかしい日本の労働形態や、世間一般に常識とされていることに対するある種の抗いであり、そのかたちが極端だから眉をひそめられたりするのかもしれないけれど、生き方としてはとても面白いと思う。生き方ややり方に自覚的なのだ。
 作者は自分の本質に忠実だなと思う。自分自身どんなことが得意なのか、どんなことが苦手なのか。楽しいのはどんなときで、息苦しいのはどんなときなのか。そういうことをわかっていると、生きていく上でてきめんにやりやすくなる。何か選択をしなくてはいけないときがあったとしても、自分がどういう人間かわかっていれば、決断もしやすい。作者の場合たまたま、あまり常識的とはされていないところに自分の適正があるかもしれないだけであって、それはそれで難儀なこともあるかもしれないけれど、それでも自分に忠実に生きているこの作者を、僕は面白いなと思う。