京都、大原のCafe Apiedに行ってきた。Apiedさんはカフェ以外にもAPIEDという文芸誌を作っておられる。もう廃刊になってしまったが、以前はCINEMA APIEDという映画誌も作っておられ、私は5年ほど前にエッセイを載せてもらったのだ。
載せてもらって5年になるのに、なぜ今まで行かなかったんだという話になるんだけど、まあ、年月が経つのは早いというか…。ただ私、東京のみじんこ洞さんの件で懲りたのだけど、行こう行こうと思っていたお店が閉店になってしまったりするのはもう嫌なのだよなあ…。
大原って、私は初めて行ったんだけど、三千院などがあってよく知られてはいるものの、四条からバスで40分ぐらいかかるし、そのバスも結構混むしで、「さあ、行くか!」と思い立たないとなかなか行けない。でも店内の席は紅葉シーズンでもないのにほぼ埋まっていて、お店の人気がうかがい知れた。Apiedさんが目的で大原を訪れる人もいるのだろうな。店内も、昔通った中崎町あたりのカフェを思い出すような、とても落ち着いた居心地のいい雰囲気だった。店主の金城さんに挨拶すると、さすがに私のことは記憶しておられなかったが、話しているうちに、宝塚から来たことを喜んでもらえたのか、CINEMA APIEDの新しい号をいただいたりと、とてもよくしていただいた。でもこういうふうに、物を読んだり書いたりの関係でつながりができると嬉しいものである。
気がつくと最近は、未知の場所に行きたいという気持ちが薄れてきたように思う。高野山でも出雲大社でも、郡上八幡でも豊島でも、行きたいところは国内でもまだまだあるはずなのだ。そういうことを実感できた意味でも、足を運んでよかった中庸の一日だった。