群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

閉店に思う

 昔の知人の方がやっておられたカフェの閉店を知りました。一時期は週末によく足を運ばせていただきました。そのお店が閉店するという想像が自分のなかになかったので、まさに寝耳に水でした。ずっと営業を続けていかれるんだろうなという不思議な思い込みのようなものがありました。
 考えると、このお店に通ったおかげで、私は社会問題や農に関心を持つようになったのです。農に対してそんなにコミットしているとは言えないけど、ベランダでじゃがいもを育てたり、半農的な生き方に憧れたりするようになりました。その後、そのお店から足は遠のきましたが、30代のころは中崎町や東京のカフェをよく探索しました。会社以外にも働き方はあるんだと、オルタナティブな生き方への入り口となってくれたお店です。今、私はいまだ道半ばで、ロクに働きもせずカメと遊ぶような一日を送っているわけですが、そういう日々を10年も続けると、いやでも一年を通じた陽の色や傾き、暦などに気づくようになるのです。少なくともそういうことに気づくようになっただけで、そのカフェに通ったことを感謝しています。