群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「きみの鳥はうたえる」@元町映画館

 元町映画館で「きみの鳥はうたえる」を見る。
 この映画、主人公たちはスマホを持ったりはしてるんだけど、どこか10年代とは思えないような空気感があった。原作が書かれた時代を知っていたからかもしれないけれど、函館という街がそういう空気感を持っているからかもしれない。
  主人公の一人、佐知子は「若さってなくなっちゃうものなのかな」と言う。若くて何者でもないっていうのは、それだけで素晴らしいことなんだけど、本当に若いときにはそのことには決して気づかないんだろう。いつかは終わるということも含めて、この映画は若さの持つかけがえのなさそのものなのだ。
 「僕」が書店で働き始めた理由が妙に気になったり、静雄のTシャツの着こなしは力が抜けて格好いいなとか、うまそうにビールを飲むよなあとか。あと、静雄と佐知子がカラオケに行くシーンがあるんだけど、佐知子が歌うハナレグミの「オリビアを聴きながら」がまた刹那的で、何だか碧々としてしまった。


『きみの鳥はうたえる』予告編