群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

冷やし中華、やってます

 今僕は翻訳の勉強をしているわけですが、あちこちで「翻訳の修行中」とか、「絶対絶対あきらめない」とか言っていて、これは翻訳に向き合う自分の姿勢としてちょっと違うんじゃないかなぁと思えてきました。ある程度の収入を翻訳で得るようになるということは、それだけの品質の訳文を書けるようになるということだから、一つの目標や目安としてあることは確かなのですが、それを目標にして頑張るとか諦めないとかいうのは本末転倒な気がするのです。ある程度の収入を得られるようになったり、質のいい翻訳ができるようになったりしても、僕は翻訳が好きで、そのあともずっと続けていくでしょうから、一つの通過地点に向けて頑張ることにあまり意味はないんだと思います。それに、僕は好きでやっているわけだから、頑張るという言葉もそぐわない気がします。そういうことを言っているより、自分はどういう翻訳がやりたいのかとか、通過地点を過ぎたあとにもずっと延ばしていけるようなことを考えたいと思います。甲子園に出て終わりじゃなくて、甲子園に出たあとも末ながく野球に携わっていられる人間でいたいのです。
 次から「何やってるんですか」と訊ねられたら、べつに冷やし中華を馬鹿にするわけではありませんが、「うちの店、冷やし中華やってます」と自然体でアピールするのと同じくらいの温度で「翻訳やってます」と言いたいと思います。