群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

文章を書くモチベーション

 今まで、僕の文章を書くモチベーションとなっていたのは、翻訳をやった反動で生まれるエネルギーの塊そのものでした。翻訳をやっていると、無性に自分の文章が書きたくなるのです。我をぎらつかせた、このうえなく自分を前面に押し出した文章を、です。
 ところが最近、それほどぎらぎらした文章を書きたいという気持ちにもならなくなってきました。以前なら翻訳をやったあと、文章が書きたい衝動が沸き起こり、突き動かされるようにして自分の思いを書きなぐっていたんですが、今そういう衝動はほとんどありません。それほど、翻訳というものに馴染んできたのかもしれません。
 僕がいっとき翻訳を教わっていた先生は、毎日日記を書いておられました。その日記はおそらく、文章が目的の文章ではなく、翻訳が目的の文章です。その先生は今でも日記をつけ続けておられます。毎日欠かさずです。衝動的なものがなくなった今、僕も先生みたいに翻訳の練習になる文章を書いたほうがいいのかもしれませんが、僕は人と同じことはやりたがらないあまのじゃくなところがありますから、おそらく違うアプローチを探っていくことになると思います。
 とはいえ、衝動的なものがなくなった今、毎日は無理でも決まった時間にパソコンの前に座り、文章を作る時間をつくる、そういう演繹的なものが必要になってくるのかもしれません。