群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

『台湾の若者を知りたい』

『台湾の若者を知りたい』 (岩波ジュニア新書)を読みました。台湾の若い人たちが日本人と付き合ってみて感じた感想が、後半、赤裸々に綴られています。
「日本人は礼儀を守りすぎだと思う。台湾人に対してはあまり遠慮しなくてもかまわない」「時間をよく守る。約束時間より早く来るが、日本人はそれを礼儀と考える」などなど…。中でも面白かったのが「何でも『大丈夫だ』と言う」「好き嫌いや希望を直接表現しない。何でも『結構です』と言う」「最初から行く気はないのに、行けたら行くねと言う」などの感想。台湾人は、行くなら行く、行かないなら行かないと、はっきり意思表示するらしい。私も買い物のとき、買う気はないのに「ちょっと考えさせてください」とか、よく言うなと思った 笑。はっきり「買いません」というのも悪いかな、という感じで使ってしまうんですけど。もっとも、今はそういうことを言うのが嫌なので、圧の強いお店で買い物をする機会はほぼなくなりましたが。「行けたら行く」に関しては、感情のグラデーションの問題だと思うんですけどね…。すごく行きたいが100だとしたら、30ぐらいの乗り気というか、どちらかというと行くのに乗り気ではないというか。そういうときに口上として、「行けたら行く」と、とりあえず言ってしまうというか。「例えば、私が日本人に台湾の食べ物を食べさせた時、日本人は『おいしい~』と言いましたが、それ以上食べませんでした。明らかに好きじゃないのに、どうして好きなふりをしているのだろう」という感想もあって、さすがに笑いました 笑。これぐらいは正直に言ってもいいと思うんだけど…。台湾の人は感情表現が極めて直接的だな、と。これは南国的な環境によって作られているところが大きいと思う。わりとオープンな気質の国民性を持つ人と話していると、こちらもオープンになるということは結構起きるんですけどね…。確かに日本人の感情表現は回りくどいところがあるから、そういう文化差のある人たちが付き合ったらフラストレーションがたまるだろうなと感じました。台湾の人たちの日本人に対する率直な感想が読めて面白かったです。

以下、「日本人がよそよそしく、距離感や排他性を感じる」(11.2%)、「日本人の言葉遣いが曖昧で回りくどい」(9.7%)、「文化理解の難しさ」(6.6%)、「本音と建前の違い」(5.7%)、「日本語の敬語」(5.5%)、「礼儀」(4.6%)、「話題」(4%)といった回答が続きました。要約すると、「日本人は礼儀正しいものの、態度が他人行儀でよそよそしく、自己主張があまりなく、言葉遣いが曖昧で、本音(本心)と建前(うわべ)が違っている」ということになるでしょう。その結果、「親しくなるのに長い時間がかかる」「何を考えているのかわからない」「日本人に溶け込むのは非常に難しい」という思いを抱くことになるようです。反面、台湾人は自らについて「堅苦しい礼儀にはこだわらず、熱情的で人なつこく、言葉遣いがはっきりしており、思ったことを直接表現する」と考えています。 p182