群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「見栄を張る」

 アマゾンプライムビデオで映画「見栄を張る」を見た。
 主人公の絵梨子は東京で売れない女優をやっている。ある日姉の訃報が届き、故郷に帰って姉の子の面倒を見ているうちに、葬式で泣く「泣き屋」の仕事に携わる、という話である。絵梨子っていうのは、作る料理もカップ焼きそばばかりで、抱えてる彼氏にも食い物にされているような状態。そりゃ心から泣かない人に、泣く演技はできないよなって、その辺りの感じさせ方がメチャ上手い。故郷で親族と関わっているうちにジワジワと感情が通ってくる描き方がすごく丁寧で、いい映画だった。

死者の道を作るのよ。参列者を浄化するという意味もあるの。古事記日本書紀の神話のなかにも出てくるんだけど、泣き屋がお葬式で泣くことによって、あの世とこの世に通じる魂が通る道が出来ると書かれてるの。

お彼岸にこの映画を見れたのは、偶然ではないのかも。


『見栄を張る』予告編 【SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016長編部門】