兵庫県立美術館の特別展、「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」を見に行っていきました。
ヴェルフリは、精神病院に収容されていたアウトサイダー・アーティスト。アウトサイダー・アートというのは、美術的な教育や制度になじみのないアートを指すようだ。 ヴェルフリの絵を見ていると、「何、これ……、マンダラ?」と思いがよぎった。美術館の説明にもマンダラとあった気がする。やっぱりマンダラを想起するのかしらん…。実際は、マンダラとは違うものなんだろうけれど。
ものすごく細かなモチーフを描いて、一つの自律した世界というか、小宇宙のようなものを構築してしまうのはすごいなあと思った。
細かいモチーフというのも、動物であったり、音符や文字であったり、独特の象徴記号であったり、頭に十字架のようなものをつけた人であったりする。音符も、普通の音符記号じゃなくて、微妙に違いが加えられているものがあったりする。そういうこまか〜いところをつぶさに見ているのも楽しいし、一歩引くと、全体的な世界観がドーーン!と展開する。そういうところで近づいたり下がったりの見比べも面白いところでした。
この人のなかには何か想念のようなものがあって、それを出したらああいう一つの世界のようなものになるんじゃないかしらんという気がした。いつも見るような絵とはちょっと違ったので、興味深く見ることができた。