群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

稀勢の里・初優勝

 大関稀勢の里が優勝しました。ワーイワーイ゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚
 去年一年、稀勢の里を見ていて思ったのは、ここぞというところで平常心でいるのがいかに難しいかということだ。去年、幾度となく綱取りの場所を迎えた稀勢の里は、そのたびにプレッシャーにさらされ、如実に目をパチパチさせたりした。そういう稀勢を見るたびに、ああ、これはあかんかな、負けるかな、と心配が募った。
 以前の稀勢は、先のことを考えるあまりに重圧にさらされ、目の前の相手や自分に負けていたように思う。だが今場所は、ことあるごとに「一つ一つ」と口にしていたのが印象的だった。誰かにアドバイスを受けたんじゃないかしらん。今場所の稀勢は揺れながらも、目の前の勝負に大事に取り組もうとしているように見えた。危ない取り組みもあったが、日を追うにつれて相撲が安定した。豪栄道が優勝したときなどは、メンタルトレーニングでもやったのかというような切りかわり方を感じたが、今場所の稀勢からは、自分に言いきかせるような落ち着きを感じた。
 今場所は土俵際の強さも際立った。相手に押し込まれても、土俵際で逆転する。危ないと感じさせつつ、それは稀勢の里がもともと持っている、体の柔らさゆえの土俵際の強さだと感じていた。でも先場所までだったら、今場所のような相撲は負けていたと思う。やっぱり、相当下半身を鍛錬したんじゃないかしらん。
 千秋楽の白鵬戦の一番で勝ったのも大きいと思う。2人は来場所から、横綱同士として相まみえる。もしここで稀勢が負けていたら、嫌な感触を残したまま横綱に上がることになっただろう。だからこそ白鵬は、あれほどの殺気めいた勢いで稀勢の里を倒しにいった。その白鵬に勝ったことで、ようやく稀勢の里は同じ立ち位置で、同じ横綱として土俵に上がることを許された。勝負の世界は厳しいと思う。どうしたって、勝ちと負けがつく。横綱になったらいっそうプレッシャーは増すと思うけれど、稀勢の里が今場所のように、鍛錬を欠かさず、逸ったり気後れしたりする自分を言い聞かせるように鎮めたら、きっと結果はついてくると思う(・∀・)。