ジョナサン・レヴィン監督の映画、「50/50」を観ました。主人公のアダムを演じるのは、「(500)日のサマー」でも主役を張っていたジョセフ・ゴードン=レヴィットです。
アダムはラジオ局で働くきまじめな青年なのですが、ある日だしぬけにガンだと宣告されてしまいます。
アダムは感情を露わにするようなタイプではなく、葛藤しながらも外見上はじょじょにその事実を受け入れていくように見えるのですが、むしろ周りの登場人物たちが、それぞれに表立った反応を見せます。恋人のレイチェルは自分から看病を申し出ながら、途中で疲れて浮気に走ってしまったり、端正なアダムと友だちをやっているのが不思議に見えるくらいガサツなカイルが、ガサツさを装って実はアダムのことを気遣ってくれていたり。そのアダムと、アダムが初めて訪ねたときにはこの上なく頼りなげに見えたカウンセラーのキャサリンとの関係が、患者とカウンセラーのそれから進展していく過程には、暗闇のなかで何気なく掴んでいた糸が、思いもかけずがっちりとたくましくなっていくかのような感触を得ることができます。本当に俺は死ぬという境地に立たされたとき、普段どのように周りの人たちとつながっていたのか、いつもは見えなかったそのあり方が見えるのかもしれません。
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