群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

月にいちどの愉しみ

 となりのM市立図書館のジャズCDの蔵庫はなかなかのものである。ビル・エヴァンスにしろ、アート・ペッパーにしろ、すべてを網羅しているというわけではないが、よく行くレンタル店においていないようなCDが思いがけず置いてあったりする。市内には何か所か分室もあり、その分室にしかおいていないCDもあるのだが、それもパソコンで予約検索し、受取り館を指定することで、自分の一番近い図書館で受け取ることができる。これはもうほくほくで、借りてきたCDをデータに落としては、自室のコンポで少々音量を大きめにして、ごきげんにハードバップをかっとばしている。
 だけど難点がひとつある。というのは、一番近いN市立図書館まで自転車で1時間近くかかるのである。自宅から10キロ近くある。学生のころは、毎日この往復の距離を自転車通学していたのだが、さすがに今では体力的にも、時間的にもキツい。今では1か月に一度ぐらいが自分にとってほどよい間隔みたいだ。というわけで、月にいちど、このM市立図書館まで自転車をこいでは、好きなジャズCDを借りにいくのが、ここのところのささやかな愉しみになっている。
 先日借りたのはキャノンボール・アダレイの"Know What I Mean? - with Bill Evans"


Who Cares?

 気がついたら、Track3の"Who Cares?"ばかり聴いている。なんだか、この世に憎しみや矛盾なんてひとつもないんじゃないかと思えてくる。ごきげんなアルト・サックスに合わせてかろやかに口笛吹けば、そこはもう心浮き立つキャノンボール・ワールドだ。