群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

僕は何をえらばないか。

 この歳になってくると、もちろん突き詰めていきたい自分の本質のようなものは見つかっているし、趣味とよべるものや、これからチャレンジしていきたい未知の領域に属するものもあるのだが、いっぽう、何をやらないかというのもひとつのキーポイントになる気がする。もちろん、残された時間と、することの労力を天秤にかけた結果、得られるだろうやりがいや充実感が割りに合わないだろうから、という理由もある。だが、自分の意志によって、やらないことを明確にすることで、自分らしさも規定される気がするのだ。
 たとえば、ユニクロのTシャツ。魅力的だ。リーズナブルだし、誰にでもそれなりに似あうデザインのインパクトもある。思わず手がのびそうになる。だが、あえて手を出さない。それよりも、ポロシャツを買う。そのほうが僕向きだ。
 ベイカーパンツに何をあわせるのか、ポケTか、ボタンダウンシャツか、ポロシャツか。靴はサービスシューズか、ブーツか、VANSか、Kedsか。何を選ぶかということも大事だが、たとえばベイカーパンツにポケTは合わせないという、何かを選ばないことも、僕らしさを作る気がする。ここでたとえた洋服で言えば、組み合わせによって、選ぶべきでないものはいくとおりにもなるだろう。するべきでないものをよりつまびらかにすることで、自分の輪郭もよりクリアで、硬質に、たくましくなってくる気がするのだ。