群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

ありのすさび

 佐藤正午の「ありのすさび」を読む。いいエッセイ集である。どこかで読んだことがあるような文章でいて、確かなオリジナリティとユーモアがある。ちなみに「すさび」という言葉は、興にまかせてすること、あるいは成り行きにまかせることという意味らしい。

 だが僕らが忘れてならないもっと重要なことは、短歌に限らず、何かを言葉で表現するときには、それが何であろうと必ず時間をかけて言葉を探す必要があるということなのだ。たとえばきみたちが日記をつける、友達に手紙を書く、そんなとききみたちは思ったことを最初に思いついた言葉で表現できるだろうか。やってみれば簡単に判ることなのだが、僕らはたった一つの言葉を文字にするためにも別の幾つかの言葉を思い浮かべて、その中から最も適切なものを選び取る。その一つひとつの積み重ねで文が生まれ、次にその文全体が適切かどうか判断し、適切と判断した文がつながってやっと文章が生れる。
 僕が今日きみたちに言いたかったのはまさにこのことだった。僕らは普段「書く」という言葉を何げなく口にするのだが、それは実のところは誤った言い方で、もともと人は「書く」ことなどできはしない。できるのは「書き直す」ことだけだ。憶えておくといい。いつか、きみたちがもう少し大人になれば、このことを判るときが来るだろう。そのときができるだけ早く訪れることを願って、今日の僕の話はおしまいにする。 p222

ありのすさび

ありのすさび

  • 作者:佐藤 正午
  • 発売日: 2001/01/26
  • メディア: 単行本
 

一人称単数

 村上春樹の「一人称単数」を読んだ。作品の舞台に阪急電車や、芦屋と思しき土地が登場し、登場人物を作家自身に重ねて読みたくなる。特に「ウィズ・ザ・ビートルズ」という短編には、自殺する女の子が出てくるんだけど、これなんてノルウェイの森の元になった実話なんじゃないかと思えてくる(でもおそらく、これは創作なんだろう)。「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」や「ヤクルト・スワローズ詩集」は、作家の個人的な体験や偏愛を語ったエッセイのようである。創作にしろエッセイにしろ、作家自身が年を重ね(もう71歳なのだ)、それを受け入れた上で、ノスタルジーに陥ることなく、過去の体験をうまく作品化しているように感じた。最近の村上の小説は同じような話の繰り返しで新味を感じなかったのだが、久しぶりにこの短編集を面白く読んだ。

一人称単数

一人称単数

 

さつまいもの現状

 さつまいもの現状…(=w=) 去年は植え付けが7月だったんだけど、今年は勝手に伸びてきたさつまいもを栽培しているため、葉っぱの茂りは昨年の同時期に比べると遅れている。こりゃ、収穫は11月以降になるのかしらん(=w=)  おいもさんが出来たらラッキーぐらいの気持ちで、収穫を焦らないよう心がけます(=w=)

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DさんとKさん

 私がずぶずぶと翻訳の泥沼に足を踏み入れることになったのは、11年前、芦屋でDさんがやっておられた翻訳教室に通ったのがきっかけである。だが、そもそもなぜDさんの翻訳教室を知ったのかというと、私は元々知っていたKさんという方のブログを読んでおり、そこに翻訳教室を紹介するDさんのホームページがリンクされていたのだ。どうやらDさんとKさんは、過去に同じ会社に勤めていたと察せられる。私は大学を卒業したころ、Kさんと書店のアルバイトでご一緒させていただいた。何度か酒の席をご一緒させていただいたことがある。その頃Kさんは会社を退職し、半分ライター、半分書店員として活動しておられたようだ。どこか飄々として、面白い方だった。出版されたというご自身の本を書店の棚で紹介してもらったことがあるのだが、「まあ、売れる本じゃない」と自虐的に笑っておられた。だが、しょうもない笑いをとりに来るようでいて、「テグジュペリは星の王子さま以外がいい」とおっしゃられるなど、一本筋が通っていた。
 その書店をやめて数年後のある日、阪急電車にのっていたら、たまたま隣の乗客が「Number」というスポーツ雑誌を読んでいた。好きな雑誌なので、その隣の乗客のNumberを横目で見ていたら、そこにはKさんがNumberのノンフィクション新人賞を受賞したという知らせが掲載されていた。あれには本当にびっくりしましたね。Kさんの受賞もさることながら、まさかその受賞の知らせを、阪急電車で隣り合わせた乗客が読んでいた雑誌から知るとは思わなかった。その後ネットで調べて、Kさんのブログを知ることになったので、考えてみると、電車であの記事を読まなければ私は翻訳を志すことにはならなかった。人生、しみじみ不思議である。マラソンにチャレンジして完走したら、ライターになるのを決意しようと思った、という内容の話をKさんから聞いたことがある。会社が終わってからコツコツと走っておられたらしい。当時、その話に私は深く感じ入った。世の中には、こういうふうにものごとを考えられる人がいるのか、と思った。30代になってマラソンを完走したのは、Kさんのその話が頭に残っていた部分もあったかもしれない。もう連絡をとってはいないが、お二方とも書く道で活躍しておられて、さすがやなあと感じ入る。何といっても難しいのは、続けることだと実感するからだ。私が翻訳で日の目を見ることになるのかどうかは正直自分にも分からないが、たとえ日の目を見ることがなくても、読むこと、書くことは続けたい。  

On Writing: A Memoir of the Craft (English Edition)

On Writing: A Memoir of the Craft (English Edition)

Tシャツ

 無印の無地Tばかり着ています。ユニクロのクルーネックもいいけど、やっぱり胸ポケ(とか)があるほうがアクセントになるので好きです。
 ちょっと気に入ってるTシャツとか、もったいなくて結局あんまり着なかったり…(=w=)  その点無印のTシャツなんてなんぼでも気にせず洗えますし、サイズ感小さすぎず大きすぎずでちょうどいいですし…。図書館でも隣町でも行けますし、傷んだらまた無印で買い足せばいいですし…。この夏の一番は無印の無地T!(どれだけ外出する機会があるのか知りませんけど(=w=)

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 今週のお題「お気に入りのTシャツ」

じゃがいもの収穫

 2月に植えたじゃがいもを収穫しました。

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 オオオオオ…:(´◦ω◦`): 一番大きいので3センチくらいしかないぞ…。しかも全部で3つって…。半年育てた成果がこれか…。貧しい収穫である…:(´◦ω◦`):

 反省点をまとめておくと、

・種芋を芽出しして植えなかった。
追肥、芽かき、土寄せすることを知らなかった。
・遅れて追肥したあとに、伸びてきたわき芽の芽かきをしなかった。

 じゃがいもなんて基本的に放っておけば出来るだろうと思っていたのが、今回の貧相な収穫の原因である…。さつまいもと違って、いろいろ手入れが必要なんだな…。まあ、じゃがいもを育てるのは初めてだから仕方がないか…。もし来年植えるとしたら、今回の反省点に注意して育てよう…。
 このリベンジは、植えてもいないのになぜか生えてきたさつまいもさんが果たしてくれるだろう…(知らんけど

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三ノ宮へ

 三ノ宮へ。絵を見たり本を買ったりしました。30代のころ、オフ会にしろ野球にしろ本を読む会にしろ、何にしても続いた試しがなく…(=w=) このまま神戸の街からも足が遠ざかるのはなんかイヤだなーと思っていました(=w=) 正直コロナに戦々恐々としていたんだけど、でもまあ何というか、行ってよかったです(予想以上に街には人が多かった)。次はいつ行けるかわからないですけど、やっぱりミナペルホネン展は見たいなあ。それから10月に松原政祐展があるのも分かって、これもうれしい(知っている今の画家の方で最も惹かれるうちの一人)。

イシガメ檸檬の産卵

 7月24日、イシガメの檸檬が今年2回目の産卵。全部で9個です。産卵しはじめて5年か6年になると思うんだけど、産み終えてくれるとやっぱり安心します。産卵前には水槽の中を暴れまわるので…。
 でもどうしてカメっていうのは、人が外出したり本を読んでいたりするときにかぎって、産卵するんでしょうね…。産卵が近いとこっちも心配で、ちょくちょく様子を窺うのです。そういうときは絶対に産卵してない。忘れたころを見計らうように産卵してる。やっぱり人の気配を感じとってるんだろうな。
 口をつけていなかった配合飼料をバッカバッカ食べ始めたので大丈夫とは思うのですが、まだ卵を残している可能性もあるので、引き続き気を配ってやりたいと思います。f:id:pennypocket88:20200725142011j:plain

アイビー

 久しぶりに、新しく生き物が飼いたい。メダカを飼おうか、ベタを飼おうか、ドジョウを飼おうかと迷う。でも、どうにも踏ん切りがつかない。思えばこの数年で、親戚の方が何人かバタバタと亡くなり、親は大病をした。生き物の命を預かるということに、どうしても尻込みしてしまう(まあ、うちには亀が二匹いるし、生き物を飼うというのは手間がかかることをイヤというほど分かっているので、面倒くさい気持ちもあるけれど)。
 ということで、アイビーを買ってお茶を濁した(=w=)

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 観葉植物を新しく育てるのは久しぶりである。元気に育ってくれたら嬉しい。
 ヒーターが要らないなら、ベタを飼うんだけどな。でも、また飼いたくなったら飼おうと思う(=w=)

嬉しい誤算

 育てているじゃがいもの傍から、なぜかさつまいもの芽が生え始めた…。

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 どういう理屈なんだ…、今年はさつまいもは植えていない…。昨年育ててていたさつまいもの根が残っていて、そこから発芽したんだろうか…。じゃがいもの収穫が予想より遅れていて、さつまいもを育てるのはムリだと思っていたんだけど、これで今年も育てられます。嬉しい誤算(・∀・)