群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

三宮へ

 本日は息抜きに三宮へ。まずはギャラリー島田のコレクション展「ときひらく」を見に。阪神淡路大震災の起きた1月17日に始まる個展ということで、震災に関連のある作品が展示されていた。津高和一先生と上村さんの抽象画、良い。津高先生の作品は、まだ新年の澄んだ空気が残る毎年1月、見るたびに良いと思うし、新しい年が始まったことを感じさせてくれる。あそこまでに至った簡潔さのなかに、寛ぎというか、大らかなものがある。上村さんの作品については、やはり私は抽象画に引かれるものがある。今回の作品はいつ頃に描かれたものなんだろう…。でも過去の作品に引かれると言われても、おそらく上村さんにとっては喜ばしいことではないのだろう…。
 その後、1003さんと花森書林さんへ。1003さんでは本を取り置きしてもらっていたんだけれど、こういう日に限って店頭に買いたくなる面白そうな本がたくさん並んでおり…。得てしてこういうものだよなあ。やはり本屋さんでは、毎回店頭でしか見つからない本との出会いがあり、それこそが本屋さんに足を運ぶ面白さでもある。今日みたいなことがあると、取り置きしてもらうのもよし悪しだなあと感じる。購入したのは長島有里枝さんの『背中の記憶』。年末年始に読んだ『こんな大人になりました』がとても良かったので。最近読むもののなかには若い人のエッセイも含まれるようになった。若い人の文章は若い人の文章で良いのだけど、長島さんのエッセイは、40代でしか書けない強さがあってガツンときた。40代になったからといって誰もが長島さんのような文章を書けるわけではないのだろう。それはすなわち長島さんの生き方であって、抗い、戦ってきたからこそ、あのようなパワフルな文章が書けるのだと感じた。花森書林さんでは椿崎和夫先生の個展。これも色合いがきれいで、とても良かった。