群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

草野球

 草野球の助っ人に行きました。2004年ころにバイト先でゲームに混ぜてもらったことがあるものの、それはソフトボールの試合だったので、本当の野球のゲームに参加するのは小学生以来かもしれません。チームの好意で2番を打たせてもらったのですが、初打席は、1番バッターの方がじつに気持ちよくボールを見てフォアボールを選んでくれたにもかかわらず、左打席に立った僕は、一球目にバントを試みて空振りし、二球目の真ん中の変化球を見逃し、最後はボール球に手を出して三振と、無残な結果に終わってしまいました。
 僕は学生のころからバッティングセンターにちょこちょこ通いだして、左打ちの練習を始め、その理由は、左で打つのが好きだからという、それ以上そぎ落とすことのできない根本的なものだったのですが、もしその成果を出せるとしたら、今日のこのゲーム以外に見当たる機会はないにもかかわらず、無残な第一打席に終わってしまったのです。
 第二打席は考えをあらためました。僕のうしろを打つ3番の方が、がっしりとした体つきで、とても力強い打球を飛ばしておられ、なんとか塁に出てその方に打ってほしかったので、第一打席であまりにもボールが見えていなかった僕は、この十年の左打ちの練習のことはとりあえず忘れて、小学生のころ慣れ親しんだ右打席に立ちました。結果はオーライで、真ん中あたりのボールに素直にバットが出て、バットが体に巻き付くという表現はよくありますが、振ったバットに体が巻き込まれていくような感じで、逆方向にヒットを打つことができました。そのあとの三番の方が、みごとに外野の間を抜く長打を打って、僕はホームに帰ってくることができました。よく野球選手が、「チームが勝ててよかったです」と言うのを耳にすることがあって、本当かと毒づくこともたまにあるのですが、今日肌で実感したのは、野球で嬉しいのは自分のプレーがチームの勝ちにつながることなのです。僕はヒットを打ったことより、3番の方のヒットでホームに帰ってこれたことのほうがうれしかったですし、さらに嬉しかったのはチームが勝てたことでした。貢献できたな、という実感がじわりとわきました。それにしても、ああいう3番を見ると出塁したくなります。2番冥利につきました。
 ちなみにライトを守っていたのですが、ワンエラーでした。エラーをしてベンチに帰ってきたとき、どういう反応をしたらいいのかよくわかりませんでした。謝ったとしてもチームの雰囲気が悪くなったらいけないので、どこかで取り返したいという思いを秘めつつ、それはおもてには出さず、しれっとしていました。