群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

電子書籍

"The Prison Book Club"をkindleで購入する。囚人たちによるブッククラブの本である。元々邦訳版を持っていたので、訳し比べができそうだし、リーディングの練習にもなりそうなので買った。
 自分の読書環境にもじょじょに電子書籍が入っている。どういう本を紙書籍で読み、どういう本を電子書籍で読むのか。あまり関心はなくなったけど、文学作品や長編小説を電子書籍で読むのは気が引ける。長時間読むと目が疲れそうだし、没入して読むのが難しそうである。逆に言うと、サッと読めそうなマンガや新書はもう電子書籍でいいんじゃないかという感がある。特にマンガは手元に置くとかさばる。「ハンターハンター」なんて、あまりに作者の休載期間が長く、もう手元に置いていても仕方がないんじゃないかと思って、途中で売った。しかしマンガといえど、先日買った「ニューヨークで考え中」はとても面白かったので続きは紙で買いたいし、小説でも芥川賞をとった「推し、燃ゆ」は電子書籍で読んでもいいかなと思う。こうして考えてみると、読みやすさ、作品の長さ、かさばりといった問題以外にも、作品に対する愛着なども要素に入るので、紙書籍で買うか電子書籍で買うかはやはりケースバイケースになりそうである。
 何年か前、池澤夏樹先生の講演会に行った。内容は紙書籍と電子書籍についてだった。講演のかなりの部分が電子書籍の話に割かれたが、あのとき先生は、紙書籍の可能性を信じていて、徹底的に電子書籍のメリットを話すことで、逆に紙書籍の可能性を聴衆の私たちに考えてほしかったのだと、今から振り返ってみると、思う。

The Prison Book Club (English Edition)

The Prison Book Club (English Edition)