群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

またどこかで

 数か月前、大阪のギャラリー・ondoさんで催されていた展示に伺ったときの話。六人のイラストレーターの方々によるグループ展だったのですが、目に留まった絵がありました。心のなかをすうっと風が吹き抜けていくような風通しのよさがあったのです。素敵な絵だなと思って、ポストカードを買おうと手にとって見ていたら、折よく後ろにその絵を描かれたイラストレーターの方がおられて、少しですがお話をさせていただきました。うちに帰って調べたら僕と同い年の方だったのですが、一つ印象的だったのは、「僕は好きじゃない素材があって……」という話をされておられたことです。自分がどういうふうに形にしたいのか、具体的に頭のなかでイメージが描けておられるような話し方で、「好きじゃない」という否定語であるにもかかわらず、とても好感が持てました。またどこかのギャラリーでその方の絵に会いたいと思えるようなひとときでした。