群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

怪奇的Birthday

 先日迎えた誕生日は父と一緒にいたのですが、毎年「おめでとう」の一言くらいはかけてくれるのに、その日ばかりは、父は僕の誕生日のことには一切触れてこないのです。そればかりか、とちゅうで父が着ているTシャツにふと目がとまったのですが、そこには"Birthday"とプリントされているではありませんか。ちょっとかまをかけてやれと思って、「俺、今日誕生日でさー」と声をかけると、あたかもあえてその話題を避けているかのように、もごもごと口を濁してしまうばかり。その後も父は、あいかわらず"Birthday"とプリントされたTシャツを見せつけるように着たまま、不自然なほどに僕の誕生日のことには一切触れてこず、ひょっとして親父は僕のことをからかっているんだろうか、いや誰かに罰ゲームでもやらされているんだろうか、それともとうとうぼけてしまったのかなどと考えていたら、何だか背筋が寒くなってしまいました。ひどく薄気味の悪い誕生日でした。