群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

魚喃キリコ

 昨夜は眠れなかったので、先日100円で買った魚喃キリコの「ストロベリーショートケイクス」と「ハルチン」を読んでいた。眠れない夜に一人本を読むのって好きだ。しんとしていて、この世で起きているのは僕だけなんじゃないかっていう、ひそやかな幸福感がある。学生時代に見た、TVをつけたときに偶然やっていた深夜映画のひやっとした空気感なんかを思い出す。
ストロベリーショートケイクス」は、昔読んだことがあるんだけど、内容はほとんど覚えていなかった。塔子というイラストレーターが出てくるんだけど、僕はこの作品では彼女が一番好きだ。内面には、すごく脆くて弱い部分があるんだけど、それを見せるのには耐えられないほどのプライドを持ちあわせていて、自尊心をピッと張って、自分はなんでもないんですよっていう顔をしながら、さらりと嫌味を受け流し、クールに自己を主張をする。他人に弱みを見せたくない気高き自尊心がいい。しれっとしているのがいい。たとえ、自分の弱みをもさえ、一人で処理しなくてはいけないとしても。
「ハルチン」は、魚喃キリコ版「るきさん」って感じでよかった。

Strawberry shortcakes (フィールコミックスGOLD)

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ハルチン (Mag comics)

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