群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

早稲田ジェラシー

 もう大学を卒業して十年以上がたっていて、大学教育とはまったく関係のない立ち位置で生きている僕なんだけど、早稲田大学に対する思い入れというのはいまだに強く残っているようである。早稲田出身の人に会うと、羨望で身が焦げそうになる。
 これが慶応出身者だと、まったく関心を惹かれない。事実、僕のまわりの慶応出身者って、あまり魅力的な人が見当たらない。ところが、早稲田出身者となると、僕は嫉妬の針山をのたうち回ることになるのである。
 なぜここまで早稲田に憧れるのかというと、やはり個性的で人間味に溢れ、特に文学的資質に優れた人材を多く輩出する校風にあるのだと思う。
 僕が卒業した大学が、わりとプラクティカルというのか、会社や組織でまっとうに活躍する人材を多く輩出する傾向にあった。考えてみたら、それって僕の一番苦手なことじゃないか。みんながみんなとは言わないけれど、周りのヤツらのあまりに実際的な考え方に辟易することも多かった。どうやったら社会で上手くやっていけるか、誰とつきあえば人間関係がうまくいくか、どうふるまえば自分をよく見せることができるか……。あんな大学、もうこりごりである。
 学生時代のバイト先では、やたらマンガに詳しかったり、本を読んでいたり、ベンキョーそっちのけで自分のやりたいことをやりたいだけやってきたような、いい意味でゆとりのある人が多くて面白かった。大学よりも、あのバイト先のほうがずっと楽しかったことを覚えている。