群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

私と自転車

 私と自転車の付き合いは長い。発端は中学の頃、三駅先の塾に通うのに親から交通費をもらえたのだが、それを着服するために自転車通学を始めたのだ。一緒に電車で塾に通っていた友人からは、付き合いが悪いとか、一緒に電車で行こうやなどと言われたが、その言葉は、1回につき約500円の交通費を懐にできる中学の私の中にある甘美な魅惑を覆すには至らなかった。
 味をしめた私は、高校でも自転車通学を続けた。高校は西宮で、家から大体8~10キロくらいあった。往復で15キロ~20キロぐらいの距離になる。ママチャリではボディがもたないので、ちゃんとしたクロスバイクを買った。なぜその距離を自転車通学したのかというと、電車で通うよりも約10分ほど時間が短縮できたのだ。高校生にとって朝の10分は大きい。おかげで、雨の日にまで自転車で通ったり、電車で通うより10分早く着くのだから後10分寝れるなどと余裕を持ち、逆に10分寝過ごして、それを埋め合わせるために片道8キロだか10キロだかの距離を最大速力で自転車をこいだりするはめになった(この頃からだんだん1限目に間に合わなくなり、じょじょに遅刻の味を覚えた)。
 その後も自転車は常に私とともにあった。仕事に行くにしろビデオ屋に行くにしろ、私は自転車を使った。神戸や大阪、白浜の手前までも自転車をこいだ。だが2000年代半ば頃、私はクロスバイクを潰してしまい、以後、自分の自転車を持てずにいるのである。これほど不自由なことはない。先日、長年探していたビアンキクロスバイクをリサイクルショップで見つけたのだが、状態が悪く、購入するには至らなかった。普段車を運転しない私にとって、自転車は足そのものなのだ! 自転車が欲しい!