群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

黒猫

 昔イギリスの語学学校に通ったとき、"黒猫"は"good luck"か"bad luck"かで話が盛り上がった記憶がある。Wikipediaによると、欧米では黒猫はかつて不吉の象徴であり、その傾向は現在も続いているものの、イギリスの一部の地域では幸運の象徴とされる、とある。日本でも近代以前は、魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされたようである。
 僕がよく夢占いで利用する"未弐の夢事典"では、イメージの良い黒猫はツキを呼ぶが、イメージの悪い黒猫はちょっとしたトラブルを招き、黒猫が自分を見て逃げると困難が消え去る、とある。
 イメージの良し悪しって、自分の主観的なものもあるから難しい。そのときの本人の心象を映す鏡のようなところがある。黒猫に遭遇した日には、ちょっとどうしていいかわからなくなってしまうことがある(でも身構えたりしてしまうと、黒猫はイメージが悪く見えたり、逃げたりしてしまうだろうから、これまた難しい)。こういうふうに畏怖を抱きながら同時に、場所や時代やイメージや文脈によって象徴的な意味が変わる黒猫という生き物を、僕はとても面白く思っている。