群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

考えることなど

 最近天皇制について考えることが多かったんだけど、藤井聡太の対談本を読んでいたら、丹羽宇一郎さんがまさに言いたかったこと書いてくれてた。

 日本企業は、上司が部下に「これやってくれよ、頼んだよ」と仕事を振ります。そこには予算があるわけです。自動車部品の研究の予算が一億円あったとして、その一億円は自動車部品の研究で使わないといけない。その部品の研究から外れたことはできないわけですよ。縦型で、予算を握っている親分の言った通りにやるしかないから、いつまで経っても日本では親分の指令以外、新しいことができないんです。

でも日本は、ずっと縦型社会でやってきています。戦後は象徴天皇となりましたが、「万系一世」といわれるように、古代からずっと天皇をお父さんのようにしてやってきました。家族制度も「家父長制」といって、おじいちゃん、お父さん、長男を立てて、家族が顔色をうかがってやってきました。昔からそうなんですよ。しかしこれからは、今までと同じやり方ではもうだめだと思いますね。

 男系の天皇を日本の父親として見立てるような、古い家父長的な価値観の下では、やれ男性が偉い、長男が偉いとなり、年長者が幅を利かせたり、面子や体面が重視されたりする。横ではなく縦の関係だから、コミュニケーションが上意下達になり、意思決定から実行までのプロセスに時間がかかる。インターネットを介してフラットにつながる世界にはそぐわないばかりか、妨げになってる。明らかに時代遅れである。
 例の騒動を見ていても、制度としてガタが来ていると思う。雅子様にしろ眞子さんにしろ、当該者に負担がかかりすぎているし。オードリー・タンの本なんかを読んでいたら分かるけど、日本はコロナ対策の迅速さなどに関して、明らかに台湾に遅れをとってる。女性天皇女系天皇の容認や廃止などを含めて、この制度をどうにかしないと、本当に日本は世界から取り残されてしまうと思う。