群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

3月のライオン

 3月のライオンが急に読みたくなって、全巻セットを落札しようとここのところオークションをずっとチェックしていたんだけれど、後日本棚の整理をしたら奥から1〜3巻が出てきた。前に買っていたのをすっかり忘れていた。これだったら4巻から順番に買い集めていこうと思う。
 読み返してみると、登場人物たちのセリフの一言一言が胸にささる。「そうやって力をかりたら 次は相手が困ってる時お前が力をかしてやればいい 世界ってそうやってまわってるんだ」「あのな 大事なことだぞ? いいか? 一人じゃどうにもならなくなったら 誰かに頼れ――でないと実は 誰も お前にも 頼れないんだ」「桐山こそが 僕の頭をカチ割って 泥の中から出してくれたと思うからです」
 少しでも前に進める足を緩めると迫りくる暗闇に引きずり込まれそうななかで、抗い、戦い、打ちのめされつつも人の温もりに触れ、癒え、挑む。この物語は紛れもなく、狂おしくも懸命に生きている人間を描いている。一人では人は戦うことはもちろん、生きることすらできない。まわりに迷惑をかけたりかけられたり、そうやって持ち合いながらやっている。そういうことは車の運転などと同じで、肌身でしか感覚をつかむことはできない。物事には不思議とタイミングというものがあって、ふと最近このマンガが読みたくなったのもまた何かのタイミングかもしれないと思う。

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)