群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

道案内

 ほぼ毎日、英文を読んでは訳すという生活を送っているわけですが、ところで僕は、大阪駅などで道に迷っている外国からの旅行者とおぼしき人を見かけると声をかけて道案内を試みるというお仕着せがましい習癖を持っていて、そういうときに英語で道順を説明しようとすると、自分の思ったように言葉が口から出てこず、愕然としてしまいます。理由をよく考えてみたのですが、まだまだ不十分とはいえ、普段英語の読解ばかりやっているので、英文が理解できるのと同じ程度に僕は英語がしゃべれるという、自分でもまったく意識していない固定観念に縛られているみたいなのです。"この道をまっすぐ行けば地下道への入り口がありますよ"と説明するくらいなら、淀みなく言葉が口をついて出てきそうな感覚があるのに、実際は、自分はこのくらいの説明ができるだろうと頭のなかで思い描いている英語の表現にはほど遠い切れぎれの単語しか出てきません。辞書を使いながら英文を読むこととしゃべることはまったく違うんだなあと、改めて痛感させられてしまいます。