群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

遊んで、飼って、読んで

 ペットショップに鈴虫を見に行ったら、鈴虫は置いていなかったんですが、サワガニを売っていました。買いたかったんですけれど、この高温では死なせてしまうかもしれないので、やめておきました。ペットショップに行ったら飼いたくなる生き物がたくさん売っています。今ほしいのは鈴虫と、サワガニと、リクガメです。リクガメは、はじめにヒーターなどをそろえなくてはいけないし、個体自体の値段もけっこうするし、一年中世話をしなくてはいけないのであきらめかけているのですが、それでもペットショップに行ったらほしくなってしまいます。
 小学生のころ僕が好きだったのは、なんといっても友だちと遊びほうけること、生き物を買うこと、それに本を読むことでした。友だちと遊ぶのはなにより楽しかったですが、本を読むことは、まるで森のなかに分け入っていくような自分の世界としてありました。誰かとわかちあいとか、わかちあいたくないとか、そういう前提はそもそもなく、声をかけられても気づかないことがあるくらい、物語の世界に入りこんでしまうのです。新しい学年になって教科書が配られたら、まず僕がするのは国語の教科書を読むことでした。面白そうな話から順番に読んでいって、その日のうちにだいたい全部読んでいました。あるとき、同じクラスの北岡くんのうちで一緒に宿題をすることになったのですが、北岡くんのうちに上がった僕はノートを開けるのもそこそこに、そのへんに置いてあった面白そうな本を読みはじめ、いっこうに宿題を始めそうにない僕を見た北岡くんに「お前、うちに宿題しにきたんか、本を読みにきたんか、どっちやねん」と訊ねられ、「本」と答えたところ、北岡くんに読んでいた本をむしりとられたこともありました。その後中学に入ってから、なぜか本を読むことも生き物を買うことも面白くなくなってしまったのですが、最近、サワガニや鈴虫やリクガメを飼いたくなったり、あのころほどではないにしろ面白く本を読んだり、まるで、毎日が楽しかったあのころの自分が戻ってきたみたいです。