群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

青々とした芝生の上の衝動

 神戸総合運動公園野球場が好きだ。季節は五月がいい。ゲームはもちろんライオンズ戦で、デーゲームだ。僕は三塁側のシートに座り、片手にビールを握って、ライオンズを応援している。太陽はほどよく暑く、芝はため息が出るほど青々としている。さまざまなシーンを僕は憶えている。栗山がセンター前にクリーンヒットを飛ばす。D.ブラウンが意表をついてスチールを試みる。細川がバスターの構えからホームランを打つ。すべては親しげで、悩みや苦しみや葛藤なんてこの世界には存在しないかのように思える。そんななかでビールを飲んでいると、ここに生きていれてよかったなという生の衝動がじわりとこみ上げてくる。僕は今年も神戸総合運動公園野球場に足を運ぶ。