群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「片山みやび展」「スズキコージ展」

 先日は三宮へ。ギャラリー島田の「片山みやび展」と「スズキコージ展」を見に。「片山みやび展」を前回見たのは4年前になるだろうか。親が入院中に足を運んだので、よく覚えている。その時は対談会にも参加した。「遠近法やセザンヌピカソなど、立体を二次元上でどういうふうに表現するのか、西洋の絵画が苦心してきた問題の答えの一つが片山さんの作品にはあるのではないか」というお話をされていたように記憶している。今回足を運んでみて感じたのは、44歳のおっさんが一目見て購入したくなるほどの作品の魅力。木や花、鳥など、自然をモチーフに、ガラス絵の技法を用いて制作されたという作品群が壁に並ぶ様子は、値段のお手頃感もあって、欲しい、自分のものにしたい、と強く思わせるもの。やっぱり人に欲しいと思わせる作品の力ってすごいな、と思った(そういう商業的なことを、自然にご自分の表現の上でやっておられる)。ギャラリー内は写真撮影も許可されていたようで、ギャラリー絶壁も変わったなあと…。これがまた写真映えしそうな作品だったんですよねえ…(私、天邪鬼なので、撮影しませんでしたけど)。でも後から考えていたんだけど、来廊者が写真を撮って、それをインスタやブログに投稿する。たとえ写真を撮影した人が作品を購入しなくても、その投稿を見た人がギャラリーに足を運んで購入するかもしれない。ギャラリーは公共の美術館とは異なり、作品の展示のみならず、販売も目的としているわけであって、これはもう500円のポストカードを買うよりも作品の写真を撮影して投稿する方が、ギャラリーの買い支えに貢献出来るんじゃないのかしらんと…。その一方で、そのギャラリーや美術館の空間でしか体験出来ない作品を、写真ではなく自分の目の網膜を通して見たいがために、わざわざ足を運んでいる人も確かに存在するわけで。その辺の兼ね合いは今後どうなっていくんだろうな、というようなことをつらつらと考えていた。ギャラリーを訪ねる際の個人のアティテュードやモラルも変わっていくのかな。去年も感じたけど、私個人としては撮影できる作品は限定してくれた方がありがたいかな、と思う。内容は「片山みやび展」も「スズキコージ展」も、見ごたえのある、大変充実したものでございました。

今週のお題「何して遊ぶ?」