群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「仙人掌群鶏図」@西福寺

 豊中市の西福寺に、伊藤若冲の「仙人掌群鶏図」を見に行ってきた。1年に1回、虫干しを兼ねて公開されるとのことである。
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 若冲というと、僕はまず「今さら若冲~?」という祖母の言葉を思い出す。「若冲って流行ってるね」と祖母に言ったら、「今さら若冲~?」と返され、唖然としたのである。あれから幾年を経て、僕はようやく「今さら若冲~?」に辿りついたのである(`・ω・´)!
 元々、日本の古美術にはあまり関心がなかった。「現代美術ってなんだか難解だな」「でも昔のものを見るのもな」というところから始まって、今の絵描きの絵を見るようになった。でも最近、会田誠さんに関する本を読んで日本美術と現代美術の親和性を知ったり、山下裕二さんの「日本美術応援団」の本を読んだりして、日本美術への興味が湧いてきたのであった。
 若冲に関しては画集などを見て引かれていたのだが、今回生でその画を目の当たりにし、改めてその艶やかさに魅了されるとともに、線の凄みを感じた。この人、ものすごく模写をしたらしい。おそらくはこの独特の艶やかさも、先人の作品の吸収の上に生まれたものだ。やはりオリジナリティというのは、それのみで成り立つものではないのである。とても人気のある作家だから、今さらああだこうだ言うことはないんだけれど、これはやっぱり生で見るだけの絵だから、ご関心のある方はぜひご自分で足を運んでみてほしいということである|・`ω・)