群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

水丸さん

 亡くなられた安西水丸さんである。

 これだけ長いシャツを出して着ると野暮ったく見えてしまいそうなのに、水丸さんはとても自然に着こなしておられる。水丸さんの「おしゃれしているって思われるのは苦手ですねえ」という言葉は、ずっと心に留まっている。水丸さんの服を見て僕は、前のめりにすぎる着こなしはかえって格好悪いんじゃないかと考えるようになった。服って、その人の生活とか姿勢とか関心ごととかと地つづきにつながっている。そういうのって、人生と同じだ。水丸さんの真似をして、チノパンにデニムジャケットを合わせても僕には似合わないし、またそういうことにあまり意味はないんだろうけれど、どうすれば自分なりに生活に溶け込んだ服の着方ができるだろうかと考えてる。