群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

オオクワガタの雌

 昨年購入して、卵も産んでくれた雌のオオクワガタが、今にも息を引きとりそうです。オオクワガタの雌雄を交尾させて卵を産ませ、幼虫を育てて、成虫になるまで見届けたのは初めてだったので、愛着のある子でした。交尾をするとオオクワガタは寿命が縮むらしいのですが、交尾をさせずにより長く生きさせるか、命は短くなっても交尾をさせるかは難しい問題です。プラケースのなかに雌雄のオオクワガタを入れると、放っておいても交尾しますから、どうするかは飼い主である僕が決めなくてはいけません。オオクワガタたちがしゃべれたら、本人たちの意見を訊きたいくらいです。たとえば、タバコが大好きで、もう一服でもタバコを吸えば死んでしまうという人に、死んでもいいからタバコを吸わせてくれ、と頼まれたら、僕は吸わせると思います。生きている物なら、何であれすべていつかは死ぬのですから、最後くらいやりたいことをやってほしいと思います。とはいえ、これは飼い主である僕の価値観です。オオクワガタたち当人はしゃべれませんから、ひょっとしたら、交尾なんてせずに、数か月でも長く生きていたいと思っていたのかもしれません。うちに来てくれてありがとう、向こうで旦那に会ってきなよ、と祈りました。