群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

イシガメ檸檬

 飼っているイシガメの檸檬が、いつも狭い水槽のなかに入れていてはかわいそうだからと、ダンボールに入れて、地元の川の上流の、きれいな浅瀬になっているところに連れていきました。ところが浅瀬は干上がっていて、石ころが転がっている川底がむきだしになっていました。ダンボールから出して、石ころだらけの川底の上に出してやると、子どものころから6年か7年、ほとんど毎日僕から餌をもらい、小さな水槽の中で過ごしてきた檸檬はさすがに面食らったのか、途方にくれたのか、周りを見渡し、目をたまにしばたたかせるばかりで、しばらくはその場から動きませんでした。しかししばらくたつと、あいかわらず何をしていいのかわからないかのようなままなのですが、石ころのじゅうたんの上をおずおずと歩きまわっていました。この行為が檸檬にとってよかったのか悪かったのかよくわからず、ひょっとしたら疲れただけなのかもしれませんが、楽しんでくれたならよかったのになあと思います。