群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

はしっこに、馬といる

「はしっこに、馬といる」を読む。これ、いい本である。
 著者の河田さんは、与那国島でカディというウマと暮らすことになるのだが、一方的に威圧して支配する関係が苦手なため、「わたしのほうが強い」とカディに主張することをやめてしまうのである。そのかわりに、河田さんなりにカディと付き合っていくことを重ねていく。ただカディのそばにいる、台風の去ったあとに水を持っていってあげる、他のウマの威圧からカディを守ってあげる、といったふうに。
 ウマには自分でものごとを受け入れて考え、応答する力があるらしい。河田さんはウマに委ねて返ってきた返事と対話し、あらかじめ決まりのない答えを出していく。一方的に力で押さえつける関係って、動物や自然に対してのみならず人間の社会でもあちこちでガタがきているように思える。河田さんのようなやり方は一見受動的なようでいて、とてもクリエイティブに思える。


はしっこに、馬といる ウマと話そう?