会田誠の「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか」という本を読んだ。僕は現代アートに対してはあまりいい印象を持っていないんだけれど、彼らは現代の美術界等に対して問題意識を持って戦略的に作品にアプローチしていることがわかった気がする。また、アニメと浮世絵の親和性などについても触れられていて、面白かった。
「中央線が、嫌いだった」は、読んでいて笑いが止まらなくなった 笑。「いかにすれば世界で最も偉大な芸術家になれるか」も面白い。この人、突っ込みどころを作って自分で突っ込みながらやっていて、やっぱり笑えるんだよなあ(以下引用)。
①同じことは――いや似ていることさえ、二度と繰り返すな。天才芸術家には毎秒毎秒記憶喪失を繰り返すくらいの、精神の鮮度が必要だ。
②自分の過去がどうだっていいように、人類の過去だってどうだっていい。天才芸術家にとって過去の奴らなんて、みんな取るに足らない下手っぴばかりだ。
③芸術家にスケジュールや納期という概念はない。
④英語を喋るなんて凡庸なことを平気でできる時点で、自分の才能を疑った方がいい。どうしても母国語以外を喋るという暇つぶしがしたいなら、古代シュメール語とか犬語とか、面白いのにしておけ。
⑤パスポートは要らない。海の向こうからの客は、気が向けば迎えてやってもいいが、自分が客になることはありえない。
⑥指から伝わって魂が腐るから、金には触るな。というか、そういうものが腐ったこの世にあることを、最初から知るな。
⑦大物の権力者やコレクターやキュレーターやギャラリストや批評家に会っても、すぐに忘れろ。そして次に会ったら「は? どなたさん?」と言え。というか、理由なく突然殴ってみてもいい。
⑧向精神作用のある有害物質を含む、あらゆる嗜好品を常時摂取し続けろ。それを肝臓で濾過するのも馬鹿馬鹿しい話だから、あらかじめそんな無用な臓器は摘出しておけ。
⑨大恋愛と決闘は定期的にやるといい。
⑩仕事するな。何も作るな。
美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか (幻冬舎文庫)
- 作者: 会田誠
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/08/05
- メディア: 文庫
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