群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

鈴虫の雄が死ぬ

 それにしても鈴虫が静かすぎるなと思って、飛び跳ねてケースから出てしまうから餌を変えるとき以外は開けていなかったんですが、ちゃんとケースのふたを開けて見てみると、雄がばらばらになって死んでいました。雌に食い殺されたみたいです。その遺骸は、しまったとか、かわいそうとか、そういう感情を挟めるすきまはいっさいなく、命がかつてそこにあったよすがを見つけるのさえ難しくて、空っぽで、がらんどうで、ただただ雌がタンパク質を欲していたんだろうという生身の本能の跡しかうかがえませんでした。いつもは虫が死んだらすぐに埋めに行くのですが、それさえおっくうなくらいです。近いうちにちゃんと埋めにいかなくてはいけません。