群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「オン・ザ・ロード」

 ジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」を読み始めました。青山南さんによる新訳です。思えば学生時代、となり街のヴィレッジ・ヴァンガードで「路上」を買って読み始めたはいいのですが、そのごつごつした文章にまったくページをめくる手が進まず、結局挫折してしまった記憶があります。今回の訳は今のところ読みやすいので、約15年ぶりの完読を果たしたいところです。
 カバー装画は下田昌克さんです。この下田さんの装画がいいのです。もうすぐ夏が来て、青春18切符で日本の風景のなかを電車に揺られていきたいという気持ちは、それはそれでささやかな願望としてあるのですが、そういう願望より優れているとか劣っているとかではなく、ぜんぜん言葉が通じない空の色の違う外国を旅してみたい、という、もうまったく種類の異なる感情が、下田さんの絵を見ているとわき起こってくるのです。

オン・ザ・ロード (河出文庫)

オン・ザ・ロード (河出文庫)