先日は三宮へ。ギャラリー島田で『神戸元町ジャーナル』出版記念展と、武内ヒロクニ展を見る。
『神戸元町ジャーナル』という本が出版されることは、情報として耳に入っていた。そして、その本が5500円することも…。5500円といえば大金である。1800円の単行本が3冊も買えるではないか! だから私は、こそ~っと展示を拝見し、あわよくば、こそ~っと抜け出てこれないかしらん、と画策していたのだが…。何と展示室には、著者の平野さんと思しき方が在廊しておられたのである。このまましれ~っと出ていくのも悪いよなあ、ということで、買いました、5500円の『神戸元町ジャーナル』を。

パラッとめくってみただけでも、海文堂から陳舜臣の神戸、司馬遼太郎の神戸、松方コレクションの前夜、山本周五郎の遺言、コーベブックスの躍進と、内容は濃密。トンカの姉様についても触れられているので、どのみち花森書林で買っていただろう…と自分を慰めることにする。
平野さんのことは、『海の本屋のはなし』などの著作を通じて存じ上げてはいたが、実際に対面すると、実に柔和そうな方であった。しかし、あの在廊スタイルはずるいよなあ…。まあ、向こうも売りたいから在廊するんだろうけれど。
その後、1003さんでレイモンド・マンゴーの『就職しないで生きるには』新版を購入し、ギャラリーヤマキファインアートで、中辻悦子&ケイト・ヴァン・ホーテン展を見る。
開高健はこう書いている。
好きか嫌いかというだけのことである。すべての批評はこれに尽きる。その後のいっさいは、たわごとである――と、正直ジョージ・オーウェルが文学批評について書いたことがあるが、ウイスキーについても同様である。君にとっていいか悪いか、好きか嫌いか、これだけだ。それがアルファであり、オメガなんである。
絵画についても同様だと私は思う。そういう意味合いにおいて、ケイト・ヴァン・ホーテン、高野卯港さん、西村功さんの絵は良かった。自分にとって好みの絵か好みではない絵か、それが「アルファであり、オメガ」なのである。