群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

「女子学生、渡辺京二に会いに行く」

 渡辺京二の「女子学生、渡辺京二に会いに行く」を読了する。津田塾大学三砂ちづるのゼミ生たちの卒論について、渡辺京二がコメントしたことがまとめられている。

あのね、最初から自己は実現されているんだからさ、その自分に沿って生きていく、それでいいんです。

専門的にそういう学問をやっていかないとしても、仮に平凡な妻、母親になるとしても、一生本を読んでいきなさい。本を読むということは持続です。書くこともそうですが、持続です。
 私はさっき言いましたように、一〇歳ぐらいのみぎりからずっと絶え間なしに書いてきたように思うんですが、これも持続です。学問も持続です。だからずうっと本を読んでいきなさい。
 あたしは平凡な社会人になったらもう学問とは縁がない、とは思わないことです。普通の平凡な社会人でもちゃんとした読書人にはなれます。一生本を読みつづけることが大事です。

 30代のころは力を持て余していたから、自分の可能性をぶちつけてやりたいと思っていた。でも今は、ありのままの自分を受け入れて生きたいという気持ちが強い。自分は自分でいいということ、無名に埋没すること、一生本を読んでいくこと、本を読むことは持続であるということ。渡辺京二の言葉はときに奔放で、ときに優しい。そっと背中を押してくれるようである。惰性でも何でも、本だけは読んでいこうと思う。