群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

熊谷守一展「わたしはわたし」

 伊丹市立美術館で催されている熊谷守一展「わたしはわたし」に行ってきました。

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 数年前に、熊谷守一の「モリのいる場所」という映画を見たこともあり、熊谷守一の画集は数冊読んでいた。当時はスーパーのベンチでビールを飲みながら画集を見たりしていたなあ…。今回は、私自身が1年間ケガをして、もう変なプライドを持っていても仕方がないんちゃうん…という心境になっているところでこの展覧会を見たので、また違った感慨があった。

熊谷は二科技塾で書生たちに「絵は技術を七で抑えろ」と指導しました。それ以上は、技巧が出過ぎるということです。巧さが表面に出たり、作為が出たりする作品を、熊谷は極度に嫌いました。 「熊谷守一 わたしはわたし」 求龍堂 P10より引用

 熊谷守一は、絵がうまかったんだよな。でも前のめりにすぎる表現は、彼にとって表現ではなかったのだ(正反対のことを佐川美術館の楽茶碗から感じたことがある)。展覧会名のとおり、ありのままの「わたしはわたし」を受け入れるところから表現が始まるのだよな。感じ入るところが大きかったです。
 今年は1月に清宮質文展を見れたものの、その後にパンデミックが来て、兵庫県美のゴッホ展を見逃したのである。町はかなり元に戻りつつあるように見えるけど、やっぱりほとんどの人がマスクをしているし、東京では重症者は少ないものの連日100人くらい感染者が出ていて、また緊急事態宣言が出される可能性もあるだろうし…。こういう状況下で、絵を見に行くこともどうなのかよく分からないですけど、様子を見つつ、また美術館に足を運べたらいいなと思います(出来ればミナペルホネン展が見たい)。