群青ノート

日常の備忘録、あるいは私的雑記帳

『花束みたいな恋をした』

 映画『花束みたいな恋をした』を見る。文化的な嗜好の一致から意気投合した山音麦と八谷絹。しかし麦が就職したことにより、二人の価値観はじょじょにすれ違いを見せ始めて…というストーリー。
 (特に)本の話が出来なければ、「デュフフ…コポォ…」と、もはや他人とまともにコミュニケートすることさえ出来なくなってしまった私からすると、すごく切実な映画だった。まあその、何だ、会社とか就職について言うならば、変わってしまった麦みたいな人たちとの関係って、私、ほぼ切ってしまったからな…。そんな私が言っても説得力に欠けるけど、でもさすがに、麦が就職して以降のカルチャーからの離れっぷりの描写が、いささか極端にすぎるのでは、という感はあった…。就職してもカルチャーを大切にして生きている人、いるでしょう。いや、いますよ。知ってるから、そういう人、私。
 オダギリジョーが本作で言ったセリフで、「恋愛ってナマモノだからさ。賞味期限があるんだよ。それ過ぎたら、引き分け狙いでただボール回してるような状態になるわけじゃん」というものがある。本作は、文化、カルチャーというちょっと特別なもの、エモーショナルなものを入り口につながった2人がそれに対する態度を巡って破綻する、という話だが、逆に恋愛感情が終わったあとのパートナーとしての男女の関係において、趣味というのは、文化カルチャーに限らず、2人をつなぎとめるかすがいのような役割を果たすと思うんだけどな(まあ関係を悪化させる種になることもあるんだろうけど…)。
 でもこの2人、まだ若いですよね。就職、別離したからってカルチャーとの関係が終わるわけじゃないし、関わり方も色々な形がありますから…。どうも私はカルチャーというものを、モラトリアム期に通過するもの、就職して社会化してから接しなくなるもの、みたいな文脈には置きたくないきらいがある…。私の従兄弟みたいに40歳をすぎてよく美術館に足を運んでる人もいるし、付き合おうと思えば本当、一生ものの付き合いになりますよ、とは言いたいです…。


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「設立30周年記念 こぶし志縁展」へ。

 先日は、三ノ宮のギャラリー島田へ「設立30周年記念 こぶし志縁展」へ。「神戸文化支援基金」(愛称、こぶし基金)の設立30周年を記念するもので、地上階が受賞者の方々の作品の展示、地下階が受賞者の紹介になっていました。
 展示を見ながら文化に関して考えていたんですけど……まちに文化が根付くということは、今の時代は特に難しいように思います。時間もかかりますし。豊岡は「演劇のまち」を掲げていたものの、その市長は敗れてしまいました。私自身は美を生み出すことは出来ませんけど、たとえばプランターで野菜を育てていると、ふとその行為に参加できたような感覚を覚えることがあるのですよね。文化や芸術って何も特別なものじゃなくて、日常と地続きのもののように思うのです。神戸には文化的な風土がもともとあるのかもしれませんが、今回の受賞者の方の言葉にあったように、神戸が文化的かどうかということに関しては、私のような外部の人間には見えない一面もまたあるのかもしれません。でもやっぱり、市民が文化、芸術を直接支援できるこのような仕組みが神戸で30年続いているというのは素晴らしいことだと思います。一人の女性の貯金が基金になるまでには、多くの方の尽力があったと思うので。
 ところで、地上階では欲しくなるような絵がわりと求めやすい値で出ていました。もしこのギャラリーで、もう一枚絵を買えるとしたら、やっぱりあの作家さんの絵かな。

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焼き芋

 先日収穫したさつまいもさん、オーブンで焼き芋にしました。個人的には空き地か河川敷で焚き火でもしながら焼いてみたかったんですけど、そんなことが出来る場所は家の近くにはありませんので…笑。ユーチューブの動画を参考に160度で90分焼きました。ちょっとスジがありましたけど、甘くて美味しかったです(*´ω`*) 思いのほかお腹が膨れて、一時間ほどうたた寝してしまいました…。
 まだ大きいのが一、二本残っているのですが、これはどう料理しましょうかねえ。

美作お墓参り、出雲大社

 美作の国まで、ご先祖様のお墓参りへ行ってきました。前回は2017年に行っているので、ちょうど5年ぶり。津山までバス、そこからJRで。場所は不便なんですけど、稲穂が黄色く色づいて畦道には彼岸花が咲き、さすが美作というだけあるなあ…と。美しかった。そこからお墓参りを終えて松江で一泊し、私は翌日出雲大社でお参りして帰ってきました。古代出雲王国に関する本を読み、国譲り神話や、この世の見えない世界を司ると言われている大国主命様のことを知り、以前から訪ねたいと思っていたのです。もう10年以上前から行きたいと言っていたので、今回行けなかったらもう一生行けないぐらいの気持ちだった 笑。お参りできて感慨深かったな。
 結構移動ばっかりで、松江ではゆっくりできなかったんですけど、宍道湖のほとりで食べ物は美味しいと聞きますし、本屋さんもあるし、面白そうなまちですよねえ。関西からバスで4時間ぐらいで行けますし。今度は松江メインでゆっくり行ってみたいです。

三ノ宮へ

 昨日は三ノ宮へ。ギャラリー島田の「重松あゆみ展」と「杉本裕子展」。重松さんの作品、私、これまで見たことなかったかな? 確か、見たことあると思うんですけど。こういう、どこか人工物でどこか自然物であるような作品は結構目にしてきたから、記憶がおぼろなのかしらん…? まあしかし、よく人間はこういう形のものが作れるよなあ……というのが正直な感想。縄文土器にインスパイアされているそうな。杉本さんの作品は、落書きのようなタッチのものから、キャンバス(布?)を切り裂いたようなものまで色々。素材を生かした作品には力があったが、ご自身の表現としては一貫されておられるような印象。これいいな、と思った作品はやはりお値段高し。美術の世界って、得てしてそういうものですよね…。

 

 

 その後、花森書林へ和田直子さんの「プリントゴッコ作品展」へ。神戸の風景をモチーフとしており、見覚えのある、味わい深い作風が良かった。神戸の風景を「見慣れた」と言えるほどに私は神戸に足を運んでいるのか、日常的なものなのか、と言われると、そうではないのが少々寂しいところではある。神戸に根を下ろして暮らしているわけではないので。

 

 

 その後、ギャラリーヤマキファインアートさんなどを巡る。福岡道雄さんの「ニッコリ笑っていきましょう」という文字がびっしり書き込まれた作品は、さすがにインパクトあった…。後、初めてギャラリー開さんで個展を見れたのは嬉しかったな。これまでは行くたびに閉まっていたので(ギャラリー開なのに… 笑)。最近は個展の回数が減っているというようなことをおっしゃっていた。また機会があれば足を運んでみたい。

さつまいもさんの収穫

 6月に植えたさつまいもさんを収穫しました。自社比最大の収穫となり、嬉しいかぎり(●´ω`●) 新しいプランターと土をちゃんと買って育てたのが功を奏したかな。6月8日前後に植えてるから、約100日での収穫。この後は1週間ほど陰干しする予定です(台風来てますけど…)。どうやって食べよかな。個人的には焼き芋にしたいんだけど、ふかし芋にしてもいいかも…。この大きさを最大限味わえるように調理したいです(●´ω`●)

軽さは正義

 SONYDSC-RX100というデジタルカメラを買いました。数年前に給付金でキャノンのEOS M100というミラーレス一眼を購入したのですが、傷つけるのがもったいなくて、また結構かさばるということもあり、外に持ち出して撮影する機会が皆無だったんですよね…。最近ツイッターで、将棋の森信雄先生や色んな方がデジカメでスナップショットを取っておられるのを見て、私も気軽に持ち出して撮影できるようなカメラが欲しいと思った次第です。
 で、まあ、結果から言うと、これは買って良かったですねえ…。とにかく小さくて軽い! かばんの片隅に簡単に忍ばせておけそうな小ささと軽さ。やっぱりカメラに関しては、携帯性は極めて大事なポイントだと再認識しました。あと中古だし、10年ほど前に発売されたカメラだから、それほど傷つくのを気にしなくてもよさそう。コロナ下になって外出が減りましたが、これからは機会があれば携行して、バンバン取ってみたいです。

柴田元幸先生の朗読会

 昨日は、神戸の書店、1003さんへ、柴田元幸先生の朗読会へ。柴田先生の朗読を聞くのは初めてでした(というか、朗読というものを聞くのが小学生以来ぶりくらい…)。何というか、肉声の持つ力ってあるんですかね。物語が眼前の空間から立ち上がってくるかのようでした。柴田先生、いい声してらっしゃったし、臨場感あったよなあ。声に抑揚をつけたり、身振り手振りを交えたり、お腹のところに手をやったりしていたから、絶対に朗読の練習やってるんだろうなと思って聞いてみたら、朗読の練習はやったことがないとのことでした。古川日出男さんの朗読がすごかった、というお話はされていましたが。でもまあ、各地でかなり朗読会を行っておられるみたいだから、慣れというか、自然にああいうスタイルになったのかもしれないですね。
 この夜も(なぜか)質疑応答があったのですが、正直もう、質疑応答は勘弁してほしい…😅 私は、いつになったら質疑応答から逃れられるんだろうと思う…。難しいんですよね、人に質問をするのって。いきなり柴田先生に「翻訳とは何ぞや」みたいな質問するわけにもいきませんしねえ。だからまあ、ゴニョゴニョと当たり障りのない質問しか出来ないわけですが。最近、質疑応答の時に、本当に聞きたいことは聞けていない気がする(初対面の人に変な質問は出来ないし、場の雰囲気というものもあるから、当然っていえば当然なんですけど)。
 でも、先生の朗読が聞けて、余韻の残る良い一夜となりました。

「没後10年 松村光秀展 花色香」

 先日は三ノ宮へ。ギャラリー島田の「没後10年 松村光秀展 花色香」を見に。松村光秀展を見るのはこれで二度目である。前に見たのは多分、2016年。そのときは樋口ヒロユキさんがお話をされたものと記憶している。この頃はこのギャラリーにかなりコミットしていて、サロンなどがあるたびに足を運んでいた。
 松村先生の絵を初めて見たときは、正直よく分からなかった。いわゆる自分が好きな感じの絵とは違ったからだ。だがギャラリー内の絵を見ているうちに、じょじょにその世界に引き込まれていった。作品の人物は妖艶であり、妖怪のようであり、奇っ怪な動物のようであり、そのいずれもが人間の本質を反映しているようだった。こんな絵は見たことがなない。強烈なオリジナリティーを感じた。
 本やお話を通じて、松村先生は火事でご家族を亡くされたが、その喪失感を描くのではなく、作品として昇華されたことを知った。『なわ・とんで』というのがその作品である。松村先生の作品からは何とも言えない凄みを感じることがあるが、それはやはり、こういう体験をなさったからかもしれない。
 今回の展示ではギャラリーの地下階に、一枚の絵を中心に彫刻作品が配置され、まるで祭壇のようだったのだが、あの絵は天女だったのだろうか。

おすすめブログ紹介

お題ということで、いつも読んでいるブログを記しておきたい。

 

ある日の光

かっつんさんのブログ。ランニングや料理、映画や音楽などの紹介。

何の因果か。 Powered by ライブドアブログ

人気ブロガー、ムッキーさんのマンガブログ。下ネタ多し。

nilo_ささ記

イラストレーターの佐々木美穂さんの日記。

 

なぜ私がこれらのブログを愛読しているかというと、更新頻度が高いからである。もちろん、読んでいて面白いんですけど。ムッキーさんなんかは毎日投稿されておられる。うーん、見習いたい。絶対ムリだけど。
ちなみにこれらのブログはすべて、はてな以外のブログである。畜生ですみません……。